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槍ヶ岳南岳 [やりがたけ・みなみだけ]   2015.8.7-10(2015.8.14作成)

今回は 昨年台風のために登れなかった 北アルプスの槍ヶ岳に出かけた。

天気予報では気温は高いが晴れそうで 期待して出かけた。

今回は三泊四日のコースで 上高地13:32~14:26明神14:35~15:29徳沢15:37~16:34横尾山荘(泊)5:48~6:29槍見河原6:37 ~7:29槍沢ロッジ7:52~10:12天狗原分岐10:24~13:22槍ヶ岳山荘13:49~14:22槍ヶ岳14:49~15:06槍ヶ岳山荘(泊)6:06~6:35大喰岳6:43~7:25中岳7:35~8:56南岳9:10~11:08天狗池11:35 ~12:15天狗原分岐~14:10槍沢ロッジ14:28~15:18槍見河原~16:01横尾山荘(泊)5:57~6:56徳沢7:04~7:55明神8:01~上高地9:28 の4日間で約43.5Kmのコースである。

槍ヶ岳はこのあたりです。
map
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踏破ルートです。
route
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「槍ヶ岳」ルートと時間
上高地13:329:28
明神14:26-14:357:55-8:01
徳沢15:29-15:376:56-7:04
横尾山荘1634(泊)5:4816:01(泊)5:57
槍見河原6:29-6:3715:18
槍沢ロッジ7:29-7:5214:10-14:28
天狗原分岐10:12-10:2412:15
天狗池11:08-11:35
南岳8:56-9:10
中岳7:25-7:35
大喰岳6:35-6:43
槍ヶ岳山荘13:22-13:4915:06(泊)6:06
槍ヶ岳14:22-14:49
1日目
河童橋

上高地に着いた時は良く晴れていた。しかし いつものように 登山者・観光客で河童橋は混雑している。

河童橋は渡らず 梓川の左岸の樹林の中の道で明神に向かう。

樹林の中の道
ホソバトリカブト
ホソバトリカブト
メタカラコウ
メタカラコウ
カニコウモリ
カニコウモリ
サワギク
サワギク
ジャコウソウ
ジャコウソウ
ヤマハハコ
ヤマハハコ
ノリクラアザミ
ノリクラアザミ
センジュガンピ
センジュガンピ

樹林の中の道は梓川沿いになったり 林内の道になったりする。

道沿いの花を見ながら進むと1時間足らずで明神に到着する。

明神から見る明神岳も良く晴れている。

川沿いの道
明神岳
徳本峠分岐
猿

明神から少し歩けば 徳本峠・霞沢岳への道を右に分け進む。

樹林の中の道を 徳沢目指して歩いていると ザワザワ音がする。猿である。何匹かの群れで 道路をよぎり足元そばを通る猿もいる。

大天井岳

河原の道からは 前方遠くに大天井岳が、その右には中山が見えている。

後ろを振り返ってみれば 前穂高岳が見えている。

前穂高岳
徳沢
鴨

明神から1時間足らずでキャンプサイトが現れ、すぐに徳沢園に到着する。 徳沢園横の緩い流れでは 鴨が遊んでいる。

ノリウツギ
ノリウツギ
ヤマホタルブクロ
ヤマホタルブクロ
ソバナ
ソバナ
クガイソウ
クガイソウ
新村橋

徳沢から少し歩けば パノラマコースへの登山口 新村橋がある。橋は渡らず 横尾に向かう。

前方に見えていた 中山もかなり大きく見えるようになったが 大天井岳は山影になり見えなくなって来た。

中山
横尾山荘

徳沢からも1時間弱でこの日の宿泊地 横尾に到着する。

横尾山荘の前では多くの人が寛いでいる。

横尾山荘夕食
横尾山荘夕食
2日目
横尾山荘朝食
横尾山荘朝食
横尾山荘で朝食を済ませ、建物の外へ出てみると西穂高岳が朝日に輝いている。絶好の天気である。
西穂高岳
登山道入口

横尾までは ハイキングの軽装備で来る人も多いため 「この先は本格登山装備が必要」との注意が書かれた脇を通って 槍ヶ岳目指してスタートする。

始めは林道のような幅広の道もすぐに狭く渓谷沿いの道、樹林内の道になる。

渓谷沿い
樹林
オニシモツケ
オニシモツケ
キバナノヤマオダマキ
キバナノヤマオダマキ
キツリフネ
キツリフネ
槍見河原
槍の先端

歩き始めても槍ヶ岳は見えないが 40分ほどで槍見河原に到着すると 木の間にわずかに 槍の先端が見える。

槍見河原から少し歩けば槍ヶ岳はまた隠れてしまう。

一の俣橋
一の俣

10分ほどで 前方に橋が見えてくる。一の俣谷にかかる橋である。

更に 槍沢の急流沿いに5分ほど進めば 今度は二の俣にかかる橋を渡る。橋の上から見るとイワナが泳いでいる。

急流
二の俣橋
二の俣
槍沢ロッジ

二の俣から槍沢沿いの比較的緩い道を30分ほど登ると 槍沢ロッジに到着する。

槍沢ロッジ前の混雑を見ると この日の槍ヶ岳登頂者も多そうである。

一休み後再び登山開始である。ロッジ脇のヘリポートのところから また槍ヶ岳の穂先が見えたが 今回もまた すぐに見えなくなってしまった。

ロッジから槍
マルバダケブキ
マルバダケブキ
ウド
ウド
ホツツジ
ホツツジ
ミソガワソウ
ミソガワソウ
ガレ場

槍沢ロッジから少し行くと 落石注意の標識があり、土石流の跡のような場所を通過する。

大きな岩が木をなぎ倒している。落石来るな!と念じて通過する。

横尾尾根
ババ平

槍沢沿いに左手に横尾尾根を見ながら進む。

30分ほどでババ平に到着する。ババ平キャンプ場のリニューアル中で重機も入って工事中である。

シシウド
シシウド
ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマアキノキリンソウ
クルマユリ
クルマユリ
イワオトギリ
イワオトギリ
雪渓

槍沢もだんだんと幅が広がり カールの様相を呈してくる。

やがて幅広の残雪が現れ 雪渓歩きが始まる。しばらくは 雪渓脇の道を歩いたり 雪渓の上を歩いたりが続き、水俣乗越への分岐  大曲に到着する。

大曲
ヤグルマソウ
ヤグルマソウ
ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ
エゾシオガマ
エゾシオガマ
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
大喰岳方面

雪渓を歩きながら 前方を見れば 大喰岳・中岳の翌日歩く稜線が良く見えている。

雪渓歩き
ウサギギク
ウサギギク
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
シロバナタカネグンナイフウロ
シロバナタカネグンナイフウロ
モミジカラマツ
モミジカラマツ
ガレ場登り
赤沢山

雪渓登りが終わると 岩のごろついた ガレ場歩きが多くなる。

窪地の底を登ることになるが 振り返ってみれば 赤沢山が見えている。常念岳はまだ山影で見えない。

猿

岩道の途中で休んでいると 猿の一団が移動していた。

前方を見れば大喰岳などが少し近づいて来た。

大喰岳方面
小沢

時々 右手の斜面から水が湧き出していたり、小さな沢があったりする。滑らぬよう注意しながら さらに登って行く。

ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
槍ヶ岳が見える

このあたりまできてようやく槍ヶ岳が見えるようになった。

素晴らしくはれ上がった空に穂先を伸ばしている。

イワツメクサ
イワツメクサ

登って来た方を見れば 赤沢山の上にようやく常念岳の山頂が顔を出している。

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藩隆窟

いわのごろついた斜面が少し緩くなったところに藩隆窟(坊主岩小屋)がある。洞窟の内外には地蔵?がいた。

槍ヶ岳がますます近づいて来る。

槍ヶ岳
殺生分岐

殺生ヒュッテへの道を右に分け さらに岩の道・小石の道を登って行く。

高度も大分稼いだため 常念岳も大分見えるようになった。

少し雲が増えてきたのが気になる。

常念岳
イワギキョウ
イワギキョウ

きつい傾斜の道を登ること 槍沢ロッジから5時間半でようやく槍ヶ岳山荘に到着した。

槍ヶ岳山荘前は登山者が大勢いる。

一休みしてから 槍ヶ岳を目指すことにする。

槍ヶ岳山荘

槍ヶ岳山荘から槍の穂先を見てみれば 相当急斜面の岩登りである。ただ距離はそう長くなさそうなので注意して登る。

ほとんどは登りコースと下りコースが分離されているが 梯子の順番待ちでなかなか進まない。

最後の75度くらいの梯子を登れば山頂である。

槍穂先
はしご
槍ヶ岳山頂

最後の梯子を登って槍ヶ岳山頂に立つ。

30人位はいただろうか。狭い山頂なので 落ちないよう注意しながら写真を撮った。大分雲が増えたため360度の展望とはいかない。

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下りの順番待ちも大変である。

辛抱強く順番を待ち梯子を下る。

最後でこけないよう注意して 山荘に戻ったが 往復で80分もかかってしまった。

槍ヶ岳も無事登頂できたので この日は後は休むだけ。山荘は 夕食が5回のローテーションという混雑ではあったが 1畳に一人で寝れたのは 助かった。

槍ヶ岳山荘夕食
槍ヶ岳山荘夕食
3日目
夜明け前

朝食前に外へ出て槍ヶ岳を見れば ヘッドランプをつけて登っている人達が見える。

朝食を済ませてからしばらくは展望を楽しんだ。

槍ヶ岳山荘朝食
槍ヶ岳山荘朝食
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富士山

雲海の上 南アルプス甲斐駒ヶ岳の左に富士山が見えていた。多くの山が良く見える。

槍ヶ岳も大分明るくなったところで見てみれば 山頂に多くの人が立ち 雲丹のとげのようである。

穂先の人

笠が岳方面を見てみれば 槍ヶ岳の影が映っている。

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大喰岳へ

展望を楽しんだ後は この日の最初の山 大喰岳へと向かう。

かなり岩がごろついた稜線にルートがはっきりと見えている。

そんなに急ではないが 小さなアップダウンがある。

槍平小屋への分岐飛騨乗越から大喰岳への登りである。

飛騨乗越
大喰岳山頂

結構岩のごろついた道ではあるが 槍ヶ岳山荘から30分で大喰岳山頂に到着である。

前日の槍ヶ岳山荘までの登りに比べるとずいぶんと楽であった。

大喰岳山頂の展望もなかなかである。

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大喰岳から次は中岳へと向かう。ここでも 結構な岩稜帯の通過となる。

まずは岩場の通過である。

岩場通過
タカネヤハズハハコ
タカネヤハズハハコ
中岳方面

中岳へのルートも良く見えるが 岩のごろついた尾根歩きのようである。

山頂近くには 短いが梯子もある。

梯子
中岳山頂

中岳山頂には 色が薄くなった山頂標が立っている。

後ろには 前日に登った槍ヶ岳も良く見えている。

南側の方向には これから登る南岳や 大キレット、奥穂高岳方面の展望がすばらしい。

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稜線のルート

中岳から南岳へのルートもやはり岩のごろついた稜線である。

稜線から振り返ってみれば槍ヶ岳が良く見えている。

槍を振り返る
岩場
南岳

岩場を越えていくと 南岳が間近に迫って来る。岩稜の山である。

チシマギキョウ
チシマギキョウ
トウヤクリンドウ
トウヤクリンドウ
ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウ
ミヤマダイコンソウ
ミヤマダイコンソウ

氷河公園(天狗原)への分岐に荷物をデポして 南岳へ向かう。

特に困難もなく10~15分で南岳の山頂に着く。

南岳の南側に降りたところに南岳山荘があり、その先には大キレット、北穂高岳、奥穂高岳などが見えている。

南岳山頂
キレット
下りの岩場

氷河公園(天狗原)への分岐に戻り ここから氷河公園(天狗原)へ下って行くが、これがなかなかの道である。

岩場あり、鎖あり、梯子ありの結構大変な下りである。

上部の難所を通過すると 天狗原途中の残雪と 槍ヶ岳がすばらしい眺めを作っている。

槍と残雪
チングルマ
チングルマ
岩場下り

更に岩場を下って氷河公園へと進む。

まだ天狗池は見えてこない。

雪渓歩き

岩場下りが一区切りすると 今度は雪渓歩きになる。

雪渓を一段下ると小さな池が見えてきた。

さらに進めば少し大きな池のほとり 氷河公園に至る。

池には 槍ヶ岳や 中岳の残雪などが 写り よく見る写真の実物である。

氷河公園

氷河公園で昼食後 更に下る。途中で 岩のごろついたところで 水の流れる音がするが水が見えない伏流水の上を通過。

灌木帯を通ったあとに再び石の原を歩く。

この石の原から右手に細い滝が見えている。先ほどの伏流水が滝になって落ちているものだ。

さらに石の原を進むと 2日目に登って来た道に天狗原分岐で合流する。

滝
天狗原分岐
下り
大曲

2日目に登った道をどんどんと下る。右手には 雪渓が現れ 雪渓歩きをしたりしていれば 大曲に到着する。

樹林下り

岩のごろついた道、雪渓歩きが終わると 樹林の中の道となる。ここまで来ると傾斜は緩くなり 距離を稼ぐことになる。

横尾の登山口に到着すれば 横尾山荘も目の前である。

横尾の登山口

この日も雨に会うことなく 無事下山することができた。

翌日は 横尾から上高地まで歩けば良いだけである。

横尾山荘夕食
横尾山荘夕食
4日目
横尾山荘朝食
横尾山荘朝食

翌朝 朝食後に山荘の前に出てみれば 前穂高が朝日に輝いている。この日も天気は良い。

最後の上高地目指して出発する。

前穂高
クサボタン
クサボタン
オオダイコンソウ
オオダイコンソウ
ミヤマイラクサ
ミヤマイラクサ
明神橋

帰りは 初日に通った道であるが、明神からは 梓川右岸の遊歩道を歩いて上高地に行くことにした。

明神橋を渡り 穂高神社にもよってみるが チラッと見て先を急いだ。

穂高神社
散策路から

このあたりまで来ると 散策路を観光客も子連れで散策している。

途中で とても綺麗なミヤマカラスアゲハに出合う。

ミヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハ
焼岳

途中の木立の上に焼岳が綺麗に見えている。

木道になっているところも多い。

木道
六百山

木道の途中にある展望デッキから対岸方向を見れば六百山がそびえている。

木道が終われば 間もなく河童橋である。橋の手前からは奥穂高方面が良く見えている。

上高地に着けば連続4日晴れのすばらしい登山も終了である。

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今回のアップダウンと今年の登破の記録である。

断面図
1日目2日目3日目4日目全行程
最高標高1619m3179.7m3101m1619m3179.7m
最低標高1506m1619m1619m1506m1506m
累計登り282m1612m358m167m2419m
累計下り169m169m1799m282m2419m
歩行距離9.9km9.7km12.5km11.2km43.5km
鳥瞰図

東側の穂高駅上空から見た鳥瞰図で、赤線が今回のルートである。

登破の記録

距離は歩数計から、登りはカシミールで算出した


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