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トムラウシ山 [とむらうしやま]   2012.7.17(2012.7.23作成)

関東地方が梅雨空けしようかという時期に梅雨の無いと言われる北海道のトムラウシ山に出かけた。

この日のコースは 短縮登山口4:30~温泉コース分岐4:54~5:46カムイ天上5:52~7:33コマドリ沢分岐7:44~8:40前トム平8:46~10:15十勝岳分岐10:20~10:54トムラウシ山11:05 ~十勝岳分岐11:28~12:58前トム平13:03~13:48コマドリ沢分岐13:58~15:40カムイ天上15:50~温泉コース分岐16:38~短縮登山口16:55 の約23.2Kmの往復コースである。

トムラウシ山はこのあたりです。
map
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踏破ルートです。
route
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「トムラウシ山」ルートと時間
短縮登山口4:3016:55
分岐4:5416:38
カムイ天上5:46-5:5215:40-15:50
コマドリ沢分岐7:33-7:4413:48-13:58
前トム平8:40-8:4612:58-13:03
十勝岳分岐10:15-10:2011:28
トムラウシ山10:54-11:05
短縮登山口

トムラウシ山は昔はトムラウシ温泉からすぐに登り始めるルートしかなかったそうだが、今は林道を使って車で1000m近くまで行き、 そこの短縮登山口から登ることができる。これで登りを2時間くらい短縮できるので楽になっている。

この日は登山口に着くとパトーカーや消防車両が止まっていた。何事かと聞けば前夜降りてこなかった人がいるとか・・・・。

短縮登山口から20分ほど緩い登り道を登るとトムラウシ温泉から登ってくる道との合流点 温泉コース分岐に着く。

温泉コース分岐
樹林

分岐からは新緑の綺麗なブナなどの樹林の中を進む。少し行くと上から遭難者がボートで下ろされてきた。こうはなりたくないと思いながらまだ緩い坂道を登って行く。

木の間からは日に照らされた山が見えている。

周囲の山

緩かった道もだんだんと急になり、岩がごろついたり、石を階段状に積み上げた道となる。

このあたりからぬかるみも出始めてきた。

かなりの急登を登りきったあたりがカムイ天上と呼ばれる所であるが、見晴らしも悪いし、斜面の途中でもあり なんで「天上」なのか分からない。

岩道
カムイ天上
旧道

カムイ天上からは再び緩い登り 尾根道となる。

昔はカムイ天上から沢沿いの登山道であったらしいが急な増水で流される事故が多いため新道は尾根道に付け替えられている。

旧道分岐を過ぎると笹払い道になる。

旧道分岐を過ぎるとぬかるみがすごくなる。うわさには聞いていたが田んぼ状態である。

あまりのひどさに今年から木道設置が始まったようであちこちに新しい木道ができたり、資材がおかれたりしている。この木道が整備されればかなり歩き易くなるだろう。

このあたりまでほとんど花を見かけない。

ぬかるみ
木道
十勝岳方面

笹払い道の左側が開けたところからは十勝岳方面がちらちら見えている。このまま天気が続いてくれると良いのだが・・・

笹の尾根道をしばらく歩くとブナやしらかばの林であろうか樹林帯に入る。

ブナ林
バイカオウレン
バイカオウレン
ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ
マイヅルソウ
マイヅルソウ
ミツバオウレン
ミツバオウレン
ミヤマカラマツ
ミヤマカラマツ
エゾヒメクワガタ
エゾヒメクワガタ
エゾコザクラ
エゾコザクラ
チングルマ
チングルマ
花畑

樹林が切れた斜面に突然大きなお花畑が現れる。少し前まで雪渓が残っていて雪が解けてたところで一斉に開花したのだろう。 チングルマやエゾコザクラが見事に咲いていた。

この花畑を過ぎると旧道のあった沢沿いまで下ることになる。この下りは結構急である。

下り

急な下りを下りきるとしばらく沢沿いの道になる。

沢沿いの道を10分ほど歩くとコマドリ沢の分岐に至る。二つの沢が合流しているところでしばらく休憩し、右手のコマドリ沢を登って行く。

この分岐のあたり一面にウコンウツギが咲いている。

コマドリ沢の分岐
ウコンウツギ
ウコンウツギ
サンカヨウ
サンカヨウ
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
雪渓
雪渓

コマドリ沢に入るとすぐに雪渓がある。といっても雪は柔らかくアイゼンは必要としない。滑らないように注意しながら登って行く。

雪渓の右手の斜面は花が綺麗だ。

エゾノハクサンイチゲ
エゾノハクサンイチゲ
トカチフウロ
トカチフウロ
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ
ウラジロナナカマド
ウラジロナナカマド

雪渓の残った沢を登りきるとしばらく低木帯の緩い登りを登る。やがて50cm以上の岩が帯状になった地帯を横切る。

岩陵帯を横切りきった後は岩がごろついた緩い登りが続く。

空模様はだんだんと悪くなり見晴らしが利かなくなってきた。

岩陵帯
コエゾツガザク
コエゾツガザク
ミヤマタネツケバナ
ミヤマタネツケバナ
イワブクロ
イワブクロ
エゾツツジ
エゾツツジ
なきうさぎ

このあたりでキーというような「なきうさぎ」の声が聞こえてくるが、周りを見てもなかなか見つからない。

しばらく歩いていると幸運にも10m位離れたところでなきうさぎがこちらを見ているのが見つかった。初めてみるなきうさぎである。

なきうさぎ
チシマギキョウ
チシマギキョウ
エゾマルバシモツケ
エゾマルバシモツケ
タカネオミナエシ
タカネオミナエシ
チシマツガザクラ
チシマツガザクラ
はいまつ

岩の多かった道からはいまつの中を歩くようになる。登りはますます緩くなってくる。

緩い登り道脇にみごとなチシマギキョウの群落があった。

キキョウの群落
前トム平

緩い登りを登るとまもなく平坦な場所に出る。ここが前トム平である。

前トム平から少し下ったあと、今度は又 岩陵帯を登って行く。

岩陵帯
ツマトリソウ
ツマトリソウ
イワヒゲ
イワヒゲ
コケモモ
コケモモ
アオノツガザクラ
アオノツガザクラ

岩陵帯を登り切り更に鞍部まで登っていくと 下り道の先に池塘の点在したトムラウシ公園が見えている。

しかし 天気はすっかり曇り空となってしまいトムラウシ山は見えない。

下りきるとトムラウシ公園である。

トムラウシ公園
トムラウシ公園
登り

トムラウシ公園からはトムラウシ山への登りが続く。

道の両側の高山植物も増え、コマクサも見える。

キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
キタヨツバシオガマ
キタヨツバシオガマ
コマクサ
コマクサ
エゾイワツメクサ
エゾイワツメクサ
十勝分岐

高山植物を楽しみながら登ると やがて十勝岳への縦走路の分岐点に来る。ここに荷物を置いて山頂を目指している人も多いようだ。

この分岐の先の最後の登りはかなり急な岩の道である。分岐から30分ほどでトムラウシ山の山頂に到着である。

しかし残念ながら周りはガスっており全く見晴らしが利かないばかりかかなりの風も吹いている。10分ほどで下山を開始する。

トムラウシ山頂

十勝岳への分岐の近くまでくると 下の方に登る時にはみえなかったキャンプ場に貼られたテントが見えている。

頂上から下ってきたら天気が良くなりそうなのは皮肉なものだ。

キャンプ場
ミヤマオグルマ
ミヤマオグルマ
イワイチョウ
イワイチョウ
メアカンキンバイ
メアカンキンバイ
ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウ
トムラウシ山

ムラウシ公園の手前で昼食をとったあと、前トム平目指して登り道となる。鞍部の頂上近くまで来て振り返ると行きには見えなかったトムラウシ山が見えている。

鞍部を越えて下りに入ると今度は前トム平や前トムラウシ山が綺麗に見えている。

前トム平
ニペンツ山

前トム平からはなきうさぎの声を聞きながらコマドリ沢を下り、尾根の新道に登り返して笹刈り道を行くと前方にはニペンツ山が綺麗に見ている。

朝よりは大分乾いたと思われるぬかるみ道をカムイ天上まで来ると木の間からトムラウシ山も見えている。

トムラウシ山

カムイ天上から1時間強の下り道を 最後の力を振り絞って下ると短縮登山口に帰着である。

トムラウシ山の登りはそれほど急ではないが12時間かかる距離が長いのがきつい山であった。

短縮登山口

おまけの温泉情報は宿泊に使ったトムラウシ温泉の東大雪荘である。泉質は含硫黄・ナトリウム・塩化物、炭酸水素塩泉ということで約93℃のお湯が宿の上流200m位のところで 自噴している。 立ち寄りは\500。

東大雪荘 map GoogleMapで

今回のアップダウンと今年の登破の記録である。

断面図
最高標高2141.0m
最低標高956m
累計登り1497m
累計下り1497m
歩行距離23.2km
鳥瞰図

東側の石狩岳上空から見た鳥瞰図で、赤い線がこの日のルートである。

登破の記録

距離は歩数計から、登りはカシミールで算出した


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