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幌尻岳 [ぽろしりだけ]  2011.7.12-13(2011.7.19作成)

日本百名山の中で最難関の一つと言われる北海道の幌尻岳に行ってきた。

日高町の宿泊施設に泊り、登山初日は初めて経験する沢登りで幌尻山荘まで行き、2日目に幌尻岳に登頂し、沢を下る予定で有る。

1日目 駐車場9:50~10:25奥幌尻橋10:30~11:03幌振橋11:08~11:53取水ダム12:30~13:33四ノ沢13:42~15:00幌尻山荘 の10.4Km

2日目 幌尻山荘3:00~北カール稜線5:53~6:57幌尻岳山頂7:02~北カール稜線7:53~10:05幌尻山荘10:50~四ノ沢12:11~取水ダム13:36~ 幌振橋14:26~奥幌尻橋14:50~駐車場15:15 の22.8Km  二日合計33.2kmのコースである。

幌尻岳はこのあたりです。
map
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踏破ルートです。
route
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「幌尻岳」ルートと時間
駐車場9:5015:15
奥幌尻橋10:25-10:3014:50
幌振橋11:03-11:0814:26
取水ダム11:53-12:3013:36
四ノ沢13:33-13:4212:11
幌尻山荘15:00(泊)3:0010:05-10:50
北カール稜線5:537:53
幌尻岳6:57-7:02
1日目
駐車場

平取町から車で1時間くらいであろうか林道を走ると鎖で封鎖されたゲートに到着する。このゲート横に駐車場があるが今年から規制が強化された そうで ここまでは地元の車しか入れない。一般の人は糠平山荘からシャトルバスに乗ってこないといけない。

駐車場からは林道の砂利道歩きである。

林道
渓谷

始めは左岸を通る林道も奥幌尻橋で右岸へと渡る。

この日は天気が良く暑いので林道の日陰を選んで歩く。糠平川の渓谷を上から眺めながらこんなに水量が多くて渡渉できるのかしらと多少不安に成る。

日差しの強い林道も小さなが沢が滝状に落ちてくる所は涼しくホッとする。

小滝

幌振橋で再び左岸に渡り林道を歩く。

初めての沢登りの不安と期待を交錯させながら糠平川沿いに更に歩くと小さな橋を渡って右岸に出るとすぐに北海道電力の取水ダムである。

ここで昼食をとり、渡渉までは少し距離があるが沢歩きの準備をする。

糠平川
取水ダム

ガイドさんから渡渉時の注意を聞き、淵をしばらく歩くといよいよ渡渉の開始である。

雪解け水にしては思ったほど冷たくなかったが 流れの速い所では足がすくわれないように注意が必要である。始めの内は体中に力が入ってしまう。

渡渉1
渡渉2
渡渉3

何回か渡渉したり川端を歩いたりして少しずつ登って行く。

いよいよ最大の難所四ノ沢である。今までより流れが速くなっているが水量が60cm程度でそれほど多くないのでガイドさんの誘導でそれほど苦労すること無く渡渉できた。

渡り終えて四ノ沢から落ちる滝をみてホッと一休みする。

四ノ沢
渡渉4
渡渉5

四ノ沢が最大の難所と聞いていたのでこの先は楽なのかと思ったら大間違い。今まで同様の細心の注意が必要な渡渉が続く。

渡渉6

四ノ沢が丁度中間点あたりでその後も渡渉やら、川端を歩くこと数回と続く。

沢沿い

右岸を歩いていると反対側に幌尻山荘が見えてくる。いよいよ最後の渡渉である。

最後の渡渉を終えて小屋前に行くと数人の人たちが休んでいた。

この日はここまでである。

渡渉7
山荘
2日目

2日目は登頂後沢下りまでするため時間に余裕を持って朝3時の出発である。天気はあまり良くなく雨粒がぱらつくこともある。

あたりは真っ暗であるが山荘前は水力発電の電気を利用して蛍光灯がついている。登り始めると真っ暗でヘッドランプ頼りに進む。

2時間くらい登ると命の水への分岐にくる。寄らずに登ると岩場を過ぎハイマツ帯となり、ハイマツの根がごろごろしている。

命の水
ハイマツ帯
雪渓
花畑

ハイマツ帯も過ぎると北カール上の稜線に出る。あいにくの天気でカールはまるで見えない。残っている雪渓の脇を通り、お花畑を楽しみながら登る。

ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ
イソツツジ
イソツツジ
ツマトリソウ
ツマトリソウ
トカチキスミレ
トカチキスミレ
ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ
エゾハクサンイチゲ
エゾハクサンイチゲ
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ
ウズラバハクサンチドリ
ウズラバハクサンチドリ

最後の岩稜帯を通過すると新冠登山道の分岐に成る。頂上は間もなくである。

岩稜帯
分岐
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
エゾコザクラ
エゾコザクラ
ミヤマアズマギク
ミヤマアズマギク
コエゾツガザクラ
コエゾツガザクラ
ミヤマダイコンソウ
ミヤマダイコンソウ
ウコンウツギ
ウコンウツギ
ベニバナミネズオウ
ベニバナミネズオウ
マイズルソウ
マイズルソウ
山頂

歩き初めて4時間ほど経った7時ころに山頂に到着である。前回の利尻山ほどではないが強風が吹き、周囲は雲の中である。

せっかくの最難関の山であったが、体が冷えてしまうので早々に下山開始である。

北カール上の稜線まできても見晴らしは一向に良くならない。

近くの花を楽しみながら下って行く。

雪渓
ミヤマハンショウツル
ミヤマハンショウツル
ムシトリスミレ
ムシトリスミレ
イワヒゲ
イワヒゲ
エゾツツジ
エゾツツジ
チングルマ
チングルマ
シラネアオイ
シラネアオイ
エゾゼンテイカ
エゾゼンテイカ
コバイケイ
コバイケイ
ツバメオモト
ツバメオモト
ぬかるみ

朝は暗くてよく見えなかったぬかるんだ道をどんどんと下って行く。

やがて幌尻山荘の屋根が見えてくると急な下りも終わりとなる。

山荘屋根
登り口

幌尻山荘からの登り口に到着したところで、大休止をし、山荘に置いて行った用具の梱包と、最後の沢下りの準備をする。

幌尻山荘を出発すればすぐに渡渉が始まる。登ってきたときに比べれば慣れてきておりだいぶ楽に渡れるようになっている。

難所の四ノ沢も慎重に越え、渡渉回数を数えながら下る余裕も出てきた。

渡渉8
四ノ沢
取水ダム

16回ほどの渡渉(横断)と10回ほどの川縁歩きで沢下りも終了し、取水ダム手前の川原で沢靴を脱いで登山靴に履き替えた。

取水ダムから1時間15分ほどで奥幌尻橋手前のゲートに達する。以前はここまで車でこれたそうである。

無事に沢も下れたので林道脇の花を見ながら駐車場目指す。

ゲート
エゾルリトラノオ
エゾルリトラノオ
ヨツバヒヨドリ
ヨツバヒヨドリ
オオバミゾホオズキ
オオバミゾホオズキ
ムカゴトラノオ
ムカゴトラノオ
カラマツソウ
カラマツソウ
クルマバソウ
クルマバソウ

奥幌尻橋を過ぎたあたりからぽつぽつと雨が降ってきたが大したことは無いので駐車場目指して歩き続ける。

朝の出発から12時間でようやく今回の幌尻岳登山も終わりである。山頂での天気は悪かったが、登頂率70%と言われる難関の山に無事登れて満足である。

駐車場

おまけの温泉情報は日高町沙流川温泉の宿日高高原荘である。 単純硫黄鉱泉で加温しているということである。日帰り入浴料\500である。

map GoogleMapで

今回のアップダウンと今年の登破の記録である。

断面図
1日目2日目
最高標高958m2052m
最低標高473m473m
累計登り769m1390m
累計下り285m1874m
歩行距離10.4km22.8km
鳥瞰図

ほぼ南側の浦河町上空から見た鳥瞰図で、赤い線が今回のルートである。

登破の記録

距離は歩数計から、登りはカシミールで算出した


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